2020年5月27日水曜日

やどかり

先日、浜辺でのアーシング中に出会ったヤドカリさん。

 人生は、借り物です。自分の肉体も、家も(持ち家か借家かに関わらず)持ち物も、すべてが。
 ずっとそう思ってきましたが、ヤドカリさんをみていると、なおさらそう感じます。 そのときの自分のカラダの大きさに合った宿を借りる。余計なものは持たない。

 かく言う私は、断捨離は苦手なんですけども。
(モノにも命がある気がするから捨てられない…誰かが使ってくれるなら手放せると思うのですが&備蓄癖には必要を感じている)
 「余計なモノ」じゃなくて、私の「余計な考え」 を捨てることを考えます。そうしましたら、自分にとって何よりも大切なものが見えてきました。

 じつは、絵を描くのが好きじゃないこと。…だって、辛くてシンドいんです。だけどどうしても絵描きで居たいこと。

 ずっと若かった頃の、辛かったことを思い出しました。かつて「この世界で仕事できないようにしてやる」というようなことを言われたことがあって。いや、いまから考えたら、理不尽で現実味のない話なんですが。 私から絵をとりあげたら、何も残らない…と命を奪われるくらいに絶望したことがありました。
 そういう自由を奪われたら、私には「死」に値します。ココロの、精神の、死。

 私には絵が大切で、必要で。私が捨てなくてはいけないのは、「絵を描くのが辛くてシンドい」という考えだと気づきました。
 なぜ辛くてシンドいかというと、上手く描かなくちゃとか、あれやこれや色んなこと考えるから、で。本来、何ものにもかえがたいほど大切で、大好きで、楽しいことなのに。実際、上手下手とか、そんなこと何も考えずに描いていれば筆がすすむことにも。

 大好きなことは、要らないストッパーかけたりしないで、もっともっと大好きで居たい。大好きなことは、素敵なこと。そしてココロはどこまでも自由なんです。絵を描けることに、感謝。
 借り物の世界に生きているからこそ、シンプルに、自分のココロとカラダを大切に。
 …ね?ヤドカリさん。